●佐々木仁●

イーグルの奴、何だ、あの態度?

急に出ししぶりやがって……。

あれからパチンコが勝利続きで、何とか金回りはキープ出来たものの、あいつに新しい男? 嘘だろ? そんな訳ないよな、じゃ、俺の気持ち確かめてる?


う……ん、ここで、こっちから連絡するべきかどうか…悩むところだ。

優しい言葉と態度で、もう一度原点に戻り、クレーム処理にかかるか…いいや、もう少し待てよ、今は我慢だ、賭けだ。

こっちから連絡すると、これから俺の立場が弱くなってしまう。

向こうは、鷲の羽バタバタさせながら、俺からの連絡を、鶴のように首長く待っているに違いない。

しまいには、向こうから連絡してくるさ、必ずしてくる。


今宵も、リコと同伴の約束をしていた。

待ち合わせ時間は7時、軽く居酒屋で飯食ってから、8時には店に入るパターンだった。

この1時間だけ…リコは俺だけの女……。

おばあちゃんとやらの治療代の為、昼も仕事始めたリコは、ほとんど自分の時間はない…と言っていた。