やだよ。
どうして嬉しいことと悲しいこと、いっぺんに持って来ちゃうの?
悲しすぎるよ―――陵。
カサッと音がして、振り向くと。
床に置いていた紙袋が倒れて、中に入っていた封筒が飛び出していた。
それに気付いて、封筒を拾い上げる。
封筒を開けてみると、綺麗に折り畳まれた紙が2枚。
あたしは1枚を手に取り、広げてみた。
「…あたし?」
その瞬間、あたしの手が止まった。
――あたしの絵。
大きくて広い紙に、あたしの笑った顔。
陵は大学の時から、絵を描くのがすごく上手だった。
だけどあたしの絵を描いた時だけは、どうしても、どんなに頼んでも見せてくれなかった。
そんな陵が、初めてあたしに見せてくれたあたしの絵。

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