プロローグ 

 祐ちゃん。ありがとう。
君に会えなかったら、私はあの頃存在してなかったと思う。
君と出会ってからあんなに汚く見えた世界がキラキラと、
まぶしく見えた。
 祐ちゃんはいつだってニコニコしていてすてきだったよ。
アタシは暗くて、弱虫で、どうしようもなくって、
いつも迷惑かけた、嫌な思いもいっぱいさせた。
でもね、祐ちゃん。
これだけは覚えていて、ずっと、大好きだったよ。
君がすべてだった。
この広い世界で何よりも君だった。
すごく幸せだった。 
何回ありがとうって言えば伝えきれるかな。

 これから、祐ちゃんには未来がある。
アタシのことは忘れて幸せになってね。

  本当にありがとう。