だけど、今日は違ってた。


仕事に集中しなきゃって思っていても、何かの拍子で思い出してしまう光莉ちゃんの言葉。


オーダーの間違いや、食器を割ってしまったりとミスを連発してしまった。

そんな私に呆れたのか、オーナーの水野さんが声をかけてきた。


「里緒ちゃん、今日はもう上がっていいよ。」

「え…?でもまだ時間じゃ…。」

「何があったかは聞かないけど、ゆっくり休んで気持ち落ち着かせてきな。そんな余裕ないピリピリした顔してると、お客さんリラックス出来ないだろ?」



水野さんに言われて、はっとする。

ココは水野さんの大切なお店。

生きてくと、絶対嫌なコトはある。それはしょうがない。
ほんの少しの時間でも、みんなが癒されて、笑顔になれるような店にしたいんだってよく言ってた。



それなのに私、そんな顔で仕事してたの…?

そんな自分が嫌になってきた。


恥ずかしくって、くやしくって…。

顔を上げれない。