「そっか。ほどほどに休めよ。じゃないと、こいつも疲れてしぼんじまうかもな。」


いつもの夏目センパイの、くしゃっとした笑顔。
いつものように、センパイの笑顔にみとれて気がつかなかった。


センパイの、長くてキレイな指。男の人だから、ちょっと骨ばってゴツゴツした感じはあるけど、それが逆にセクシーでドキドキする。

そんなセンパイの指が、私のお団子を触ってるなんてウソでしょ?
ドキドキしすぎて、心臓破裂しちゃいそう。


「お団子なんて、珍しいな。似合ってる。」

「わ、私、行きますね。」

「里緒ちゃん、足元気をつけなよ。」



そう言われたそばから、私はお約束な行動をとってしまった。

うわっ。
足元が不安定で、滑ってしまった。
なんとか体勢を保ち、転ばずにすんだ。


ちょっと足痛いけど、すぐ治るよね。


そう思いながら、小走りでつぐみのトコロへ行った。