「もぉっ…陸、放してってばー!」 「……スー」 ……マジっすか。 あたしの服を掴んだまま、規則正しい寝息を立てる陸。 なんだか無理矢理振り払うのも可哀想な気がして、仕方なくその場に座りこむ。 面倒くさいから、あたしもこのままここで寝ちゃおうかな…… いや、それはマズイ。 朝、お母さんたちが見たらあらぬ誤解を招くことになり兼ねない。 仕方ない。 やっぱり強行手段をとるしか無さそうだ。