でも、悔しいけど認める。

陸、やっぱりかっこいいよ。


実の姉でさえ、たまにドキドキさせられるもん。


「可愛い寝顔しちゃって」


そっと、目にかかった前髪に触れてみる。


…って、何やってんだ、あたし。


そう思って立ち上がろうとした瞬間だった。


──グイッ。



「キャッ…」


な、なに──!?


見ると、陸の手があたしの服の裾をしっかりと掴んでいる。

身をよじってみても、放す気配は無い。



……ど、どうしよ。