「…ありがと」 「おぅ…」 ーっ! あたしのバカ! 自己嫌悪で俯くあたしに、陸は小さく溜め息をついて言った。 「やっぱそれ、姉貴が持ってて」 「え…いいの?」 「うん。俺、それ見たら、多分やばいから」 ……やばい? 「何が?」 そう言いかけたとき、下からお母さんの呼ぶ声が聞こえてきた。 おそらく、夕食が出来たのだろう。 「…下、行くか」 「うん」 ほっとしたような、名残惜しいな、複雑なキモチを残して、あたしは陸の部屋を後にした。 第4章・おわり