気まずい空気に耐え切れず、あたしはアルバムを持って立ち上がった。 「あ…おい、それっ」 陸も慌てて立ち上がる。 「これ、あたしが預かっておく」 「は?いいよ、俺が持ってる」 「いやあたしがっ」 「いやいや俺が…」 二人して、アルバムの引っ張り合い。 まるで子供みたいに、狭い部屋の一角で取り合いをするあたしたち。 一瞬、子供の頃に戻ったような気がした。 ──と、そのとき。 「キャッ!」 「…と、危ねっ」 足に何かが引っ掛かり、思わず転びそうになったあたしを、陸の腕が支えた。