アルバムの中身は、全てあたしの写真だった。
陸が生まれる前だから、多分1〜2歳の頃だ。
「…昔、親父がくれたんだよ。俺、自分が生まれる前の姉貴がどんなんか知らなかったし……」
──そうだったんだ。
それにしても。
真っ赤な顔で、恥ずかしそうに呟く陸が可愛くて、つい、笑みが漏れてしまう。
「別に、たまたまそこに置いてただけだし。滅多に見ねーし…」
「滅多にってことは、たまには見るんだ?」
「バッ…見るわけねぇだろ!」
ムキになるところなんか、まだまだ子供のままで。
そんな陸が愛しく思えて仕方なかった。



