「…じゃあ、俺は向かいの本屋で時間潰してるわ」 「ありがと。じゃあ、行くね」 ──待ち合わせの時間の10分前。 あたしは陸と別れ、一足先にカフェで待つことにした。 カランと音を立てて、扉の鈴が鳴る。 「………」 あたしは一番奥の窓際の席に腰を下ろし、雄司が現れるのをじっと待った。 ──あぁ、緊張する。 どんな顔で会えばいいんだろう。 雄司、びっくりするかな…。