実の弟相手に緊張したりして、今日のあたしはどうかしてる。 たぶん、陸がかっこいいから、余計だ。 なんか悔しい…… 「寒くない?」 「…へーき」 ──それに。 陸は女扱いに慣れてる。 歩幅だって、背の低いあたしにちゃんと合わせてくれるし…。 彼女にも、こうやって気を遣ってあげてるのかな…。 そう思ったら、嫉妬に似たドロドロした感情が押し寄せてきて、あたしはそれを振り切るように首を振った。