大丈夫かよ、と心配する陸に笑顔を向け、あたし軽い足取りで家を出た。


途端に、ひんやりと冷たい雨風が頬を撫でる。


「…うぅ、寒い」


「姉貴」



──え?


急に呼ばれて振り向くと、玄関には靴を履いている陸の姿があって、



「心配だから、送る」



そう言って、強引にあたしの手から傘を奪った。