「…今の梓は精神的に病んでる気がする」 「なんで……」 「俺が真弥を抱いたから」 え──っ。 陸の真っ直ぐな視線が向けられる。 その真摯な瞳に、あたしは目を反らすことが出来なくなった。 「夜中、梓にメールしたんだよ」 「なんて─…」 「やっぱり無理だ、俺は真弥以外愛せない、って」 ──ドキッ。 こんな時でさえ、そこまであたしを強く想ってくれる陸のことが愛しく思えてしまう。 ──そう、だよね。 あたしたちは昨日、全てを捨てる覚悟で愛し合うことを選んだんだから。