「…陸ー」 リビングには、ラップのかかった朝食が二人分。 仕事に出る前、お母さんが用意してくれたんだろう。 ──でも、陸はドコ? シンと静まり返ったリビング。 物音ひとつしない。 「…っ」 なぜか言いようのない不安に襲われて、あたしは夢中でその姿を探した。 玄関に行くと、陸の靴が無いことに気づいた。 バイト? ううん。 置き手紙もメールも無しに、陸があたしを残して出かけるわけがない。 じゃあ…一体どこに行ったの?