ふいに聞こえた声に、ハッと顔を上げる。 「…スー……」 相変わらず、気持ち良さそうに寝息を立てる真弥。 「何だよ……寝言かよ」 びっくりした。 それにしても、どんな夢を見てるんだろう。 俺は夢の中でも、真弥を泣かせているのかな? 「…ごめんな」 やっぱり、意識の無いお前を抱くことなんて出来ない。 乱れた服を直し、再び額にキスを落とした。 せめて、夢の中では笑っていられるように──。