「ちょっと由紀!何勝手に…」
「あのっ!」
言いかけたあたしの言葉を遮ったのは、千明さんだった。
「…僕が、頼んだんです。真弥さんの写真を見て、前からいいなって思ってて」
えっ……
思わず頬が熱くなる。
「まぁまぁ、立ち話もなんですから座ろうか」
慶太さんが、千明さんをあたしの隣に座るように促した。
「…あ、じゃあ」
少し遠慮がちに腰を下ろす千明さん。
あたしは、と言えば。
緊張からか千明さんの顔が見れなくて、目の前の巨峰サワーを飲み続ける。
「あんた、ペース早すぎ。潰れても知らないよ?」
「う、うるさいなっ」
由紀の心配をよそに、あたしはただひたすら飲み続けた。
…やっぱり、変だよこんなの。
あたしには、向いてない。



