「……やっぱり、何かあったんでしょ」 居酒屋に入るなり、由紀は開口一番にそう投げ掛けてきた。 あたしは返事の代わりに、由紀から視線を反らして俯く。 ……言えないよ。 あたしは由紀に、とんでもない秘密を隠してる。 「何があったか知らないけどさ、今日はパーッと行こうよ、パーッと!」 「……うん」 そう言って、目の前の巨峰サワーに手をつけた時だった。 「お待たせ!待った?」