「はい、チケット」 「……これって」 渡されたチケットを見て、絶句した。 これって、R指定の過激なラブシーンが多くて有名な映画だ。 「観るのって、これ?」 「うん。真弥が観たいって言ったんじゃん」 「言ってない!あたしが言ったのはこっちだよ」 「そうだっけ?まぁいいじゃん。人気みたいだし」 「う…」 そして、半ば無理矢理手を引かれ、椅子に座らせられる。 ──『だいたい、自分の趣味を押し付けたり、格好を制限することからしておかしいよ』 また、だ…。 由紀の言葉が頭をよぎった。