あたしと陸はタクシーに乗り、足早に家に向かった。 なんだか胸騒ぎがする。 「…陸っ、」 「大丈夫だから」 震えるあたしの手を、陸がギュッと握りしめる。 ……でも、怖いよ。 嫌な予感がするの。 「良かった。まだ誰も帰ってきてない……」 家の中が真っ暗なことに、陸が安堵の溜め息をつく。 ………あれ? 「…手紙?」 ふと、郵便ポストからはみ出した白い封筒に気づいた。