陸は、無言であたしの手を取ると、そのまま頬にあてた。


…やっぱり、何かあったんだ。




「今、紅茶入れるね」


「……真弥。」



キッチンに向かおうとしたあたしを、陸が呼び止める。


その声はいつになく真剣で、背中に緊張が走る。



「…聞いてほしいことがある。俺と、梓のことで」


「……え」



梓ちゃんのこと…。



それは、あたしがずっと気になっていたこと。


陸に聞いても、いつもはぐらかされてばかりで。


…でも、さっきの態度といい、二人の間に何かあることは一目瞭然だった。



「…なに?」