「………遅い」




あたしは一人、リビングと玄関を行ったり来たり。


だって…落ちつかないよ。


陸は家を出て行ったきり帰ってこないし。


梓ちゃんは意味深なことを口にするし。



二人して、何なの?



あたしは、すっかり冷めきってしまった紅茶を啜ると、そのままソファーに腰を沈めため息をついた。