「その服……。今日も会うの?雄司さんと」
「まぁね」
ここは、大学のテラス。
木陰に設置されたベンチに腰を下ろし、あたしは親友の由紀とランチの最中だった。
「でもさ、日に日に地味になってない?」
「うん。今朝陸にも笑われたよ」
「陸くん!いいなぁ真弥は。朝から陸くんの美形を拝めて」
「…美形って」
由紀は、陸のこととなるといつも目を輝かせる。
実際会ったことがあるわけじゃない。
昔、あたしが勝手に応募した雑誌のモデルオーディションでたまたま最終選考まで残ったのがキッカケだったんだ。
もちろん、陸が頑なに拒んだせいでモデルの話は消えてしまったけど……。
今でも、もったいないことしたなぁって思うよ。



