「りっくん聞いてる?」 「…あぁ、聞いてるよ」 今日も梓は不機嫌だ。 原因はもちろん俺なんだけど…。 今日は、つきあって2ヶ月になる彼女、梓の誕生日。 前々から、今日は一緒に過ごす約束をしていた。 それなのに俺はといえば、朝から高熱で寝込んでいる姉貴が気になって、正直デートどころじゃない。 「りっくん。今日は一日一緒にいてくれるって約束、覚えてるよね?」 「……」 「…りっくん?」 彼女の誕生日に、帰りたいだなんて思う俺は最低かな。