「……おい、大丈夫か」 その日。 アイツは珍しく高熱を出して寝込んでいた。 「へ?あぁ、平気平気!それより陸、今日は梓ちゃんと楽しんできなよ?」 「……」 俺は、ただ頷くことしか出来なかった。 なにが、楽しんできなよ?だよ。 こんな状態のお前を放っておいて、楽しめるわけがねぇだろ。 彼女との約束なんかより、俺はコイツ─…姉貴の側に居たかったんだ。 変かな、俺。 実の姉貴に本気になるなんて…。