「…りっくん。おはよ」
先に声を上げたのは、やっぱり梓ちゃんのほうだった。
「前、また遊ぼうって言ったじゃない?ちょっと早いけど来ちゃった」
「……」
陸が、チラリとあたしに視線を向ける。
何か言いたげな、そんな表情。
もしかして、勝手に家にあげたこと怒ってる?
「……あ、ほら!わざわざお土産も持ってきてくれたの!」
あたしはわざとらしくシュークリームの箱を掲げ、声をあげた。
「陸、好きでしょ?シュークリーム」
「…好きじゃない」
────え?
リビングが静まり返る。
陸…?
どうしてそんなこと言うの?



