「……り、く?」 真弥の指を、そっと唇に当てた。 同時に、口いっぱいに広がる、鉄のにおい。 「…血、汚いよ?」 「真弥のだから汚くないよ」 ……あ、デジャヴ。 前にも、こんなことがあった気がする。 ──いつだっけ? 「ほら、止まった」 そう言って指を見せると、真弥は嬉しそうに笑った。 「……本当だ」