「姉貴こそ、その服は無いんじゃねーの?仮にも大学生だろ」 「なっ…!仮にもってなによ!」 ったく…。 相変わらず口が悪いんだから。 ……でも。 陸の言うとおりかもしれない。 あたしは改めて、鏡越しに自分の格好を見る。 黒のタートルセーターに、スキニーデニム。 …確かに、地味かもしれない。 あたしだって、こんな格好したくてしてるわけじゃないよ。 でも、仕方ないんだ。 だってこれは、彼の趣味だから。