実の弟に恋をしました。




それからあたしたちは、時間の許す限り、初めてのデートを楽しんだ。


星空の下。

本当の恋人同士みたいに、手を繋いで、肩を寄せ合って。


大好きな人と過ごす、楽しい時間。


このまま時間が止まっちゃえばいいのに…。




「…あ」


ふと、陸が足を止める。


その視線の先を見れば、この遊園地のもう一つの目玉である、大観覧車があった。


「すご…綺麗……」


──赤、青、緑。

様々な色のイルミネーションが施されたそれはあまりにも綺麗で、幻想的で。


あたしには眩しすぎるくらい。



「…乗ってこっか?」


えっ…


「いいの?」


「最後の締めにさ」



……最後、か。


「うん…」


なんだか途端に寂しくなって、あたしは陸の手をギュッと握りしめた。