「…落ちる!?なぁ落ちる?」
「まだ平気だよ」
「絶対手離すなよ!!」
「分かってるって」
──想像以上に、陸はビビリだった。
今にも泣きそうな顔で、必死にあたしの左手を握ってくる。
さっきまでのスーパーマンみたいな陸はどこへ行ったのやら、まるで昔に戻ったみたいに弱気な陸。
不覚にも、可愛いなんて思ってしまったり…。
あたしは、陸の右手をギュッと握り返して、静かに目を閉じた。
コースターはカタカタと上昇し、最初の山の頂上へと差し掛かる。
「マジ、死ぬっ……」
それが、陸の最後の言葉となったのは言うまでもない。



