実の弟に恋をしました。




「ちょっ…待てって」


「いいから見てて!」



陸の制止を振り切り、ズカズカと乗り場へと向かう。

列の殆どがカップルばかりで、少し寂しいけど…


やっぱり、せっかく来たからには目玉に乗りたいもん!


…それにしても。

陸、ちゃんと見ててくれるかな?







「君、一人?」



……へ?


ふいに頭上で声がして、顔を上げると。


いかにもチャラそうな男の集団が、ニヤニヤ不気味な笑みを浮かべながらあたしを取り囲んでいた。


な、なに──?



「そんな怯えないでよ。俺たちと一緒に回らない?」


「け、結構です!」



誰があんたたちなんかと回るかっつーの!