「……無理。ぜってー無理」
「いいじゃん!大丈夫だよ」
目の前には、急上昇・急降下が売りのジェットコースター。
この遊園地の一番の目玉で、既に長い列ができている。
「乗ろうよー!」
「い・や・だ!」
乗る気満々なあたしとは対照的に、子供みたいにブンブンと首を振り続ける陸。
「…い、言っただろ!俺、絶叫系無理なんだって」
「そうだっけー?」
そう言えば、そんなことを言っていたような…
陸は、くるりと踵を返し、その場を離れようとする。
「じゃ、いいよ。あたし、一人で乗るから、陸はここで見てて!」
「は!?」
たまには、子供じゃないってとこ見せてやるんだから!



