……と、思ったら。 「あれ?」 そっとドアを開けると、そこには静かに机に向かう陸の姿があった。 嘘、本当に勉強してる……。 てっきり、あたしを誘き寄せる為の罠だとばかり… 「?」 あたしの気配に気づいたのか、陸はペンを走らせていた手を止め、顔を上げて振り返った。 瞬間、きらりと光る赤ぶちメガネ。 見慣れない姿に、ついドキッとしてしまう。 美少年は何しても似合うから、ほんと羨ましいよ。 「姉貴、遅い」 「だって…」 いろいろ考えてたら、恥ずかしくてなかなか来る勇気が出なかったんだもん。