「もう! いい加減、その口調直しなさいよ〜。前より立派になって!」


「そりゃどーも」



なかなか素直になれないのは昔からの癖だ。
そのわりに小心者なところも。



「ホント変わんないわね〜」



変わったよ、あたしも。



まず髪が長くなったこととか?

憧れだったセミロング。


制服が似合ってきたとことか?

懐かしいセーラー服。


寝てたけど背伸びたとことか?

お母さん越したしね。



とにかく、中学入っていっぱい変わった。



変わってないのは――やっぱり口調?



てかほぼ毎日中野と戦ってたから、お母さんの言うとおり、もっとすごくなっちゃったかもね。



「頑張りなさいよ〜。ただでさえ蜜菜ちゃんがいないんだから」


「うん……」


お母さんがミラーを見ながら言ってくる。
あたしはゆっくりと頷いた。