「でも…どこ行くつもり」 「いいから」 ーーいいから…って…アンタはそれでいいかも知んないけど… ーーアタシはそんなわけにはいかないの 聖夜はアタシの手をきつく握りしめ…たまにアタシの顔を見て…笑いながら… 中洲の橋を二人で走った。 ーーこんなこと…初めて… カップルも少し少なくなったイヴの街中を、手を繋いで走る。 冷たい風が顔に突き刺さってても…胸の奥はどこか温かい…そう…意味もなく…熱くなってる。