ツンタタ、ツンタタ。

さほど強くもない雨が休日の午後に降り注ぐ。

ツンタタ、ツンタタ。

湿った空気、閉め切られた窓。
こういう雨の日はなんだか鬱になっちゃう。
何を食べても美味しくない。
何をしたって面白くない。

ツンタタ、ツンタタ。

タップダンスを踊るようにツンタタ、ツンタタ。
雨垂れが心地よい。
この音だけは、嫌いじゃない。

ツンタタ、ツンタタ。

家には僕しかいない。
お父さんもお母さんも仕事。お姉ちゃんは部活。
何もすることがない。
誰と話すわけでもない。
暇だ。

ツンタタ、ツンタタ。

「鬱陶しいな・・・」

意味もなく窓の下に目を向ける。
ん?

「誰だろう・・・」