俊一は本当に雪依を描きにやって来た。 「先生、今悩んでいますね。」 俊一は言った。 「どうしたの?そんな風に見える?」 「はい、全然、表情が違うんです。 先生、無理に笑っていますよね」 雪依は何も言わなかった。 俊一は気にせず雪依を描いている。 「――ね、俊一君のお父さんって、どんな人?」 「親父?―別に、普通のサラリーマンですよ、でも家では何もしないんです。」 「そう…」 ドアが開く音がした。 「お邪魔だった?」 船越はそう言ったが遠慮もする素振りも見せずにずかずかと入って来た。