結局その後、何も言えないまま私は部屋に戻った。

けど、頭ん中ごちゃごちゃで訳がわかんないし、だからってミキ姉の顔は本気だったし。



「はぁ…何なのもう…」




ベランダに出ると、今日も綺麗な星空。
たぶん明日は晴れかなぁ。

煙草に火を点けて、壁に寄りかかりながら考えることはたくさんで。


正直頭ん中はパンク寸前だし。


中山さんに、牛くんにミキ姉。ミキ姉に関しては朝子も絡んでるし…私の脳みそはそんな優秀にはできてないんだよ!!




「てゆーかモテモテじゃん私。」




モテモテも苦労するんだな。うん。



いつもの私ならキャッキャッ言ってるんだろうけど、何だか今は嬉しくない。



てゆーかさ、一人ずつ時期をずらしてモテたいよね。



こんないっぺんにモテたってどうしようもないし。
たぶん、一生分のモテ運を今日使い果たしたんじゃないかなぁ私。



「にしても正人のやつマジでムカつく。」




煙草の煙と一緒に吐いた正人への文句。

チビの狸で悪かったわね。





「私って罪な狸だわ…」