リビングのドアが開き、制服に着替えた暁が、寝ぼけ眼(まなこ)の杏をつれてやって来た。
自分の部屋で寝た筈なのに、何故目覚めた時に暁の部屋にいたのか解らないらしい。全員が揃っているリビングを見てキョトンとしていた。
身内の中に一人だけ知らない女性がいることに驚いてたらしく、「だあれ?」と訊いている。
蒼が「いつか晃君のお嫁さんになる人よ」と説明すると、「およめさん?」と興味深げに陽歌を見つめてくる。
暁はニヤニヤと意味ありげな笑いを父親に投げかけ、冷やかすように口笛を一つ吹いた。
穏やかな朝の空気が、子供達の登場で一気に賑やかになる。
蒼が慌しく朝食の準備をはじめ、陽歌もそれを手伝った。
今日は月曜日。
暁も杏も学校がある。
もちろん陽歌以外の全員が仕事へ行かなくてはならない。
慌しい一日が始まりを告げていた。



