「ええ…いつかあの場所で…。あの森にまだホタルはいるの?」
「ああ多分ね。今夜にでも行って確かめてみよう。ホタルがいたらすぐにでもプロポーズするけど、覚悟はいい?」
今夜という急な展開に驚く陽歌の中で、『決断、即行動は相変わらずね…』ともうひとりの自分が笑う気配がする。
茜の気持ちが自分の感情でもあることがとても嬉しくて、陽歌もクスクスと笑った。
「ホタルがいなかったら返事を保留しちゃうかも?」
「うーん、それは困るなぁ。じゃあ君がプロポーズを受けるまで拉致監禁ってのはどう?」
「クスクス…またそれ? あ、まさかまた、僕の誕生日に結婚式をする!…なんて言わないわよね?」
「……誕生日まで一週間あるよ。…って言ったらまた怒って飛び出す? 今度はちょっとだけ余裕があるけど…ダメかなぁ?」
やや上目遣いで訴える晃の、子犬がおねだりするようなこの視線には茜だった頃から弱い。
『そういうところ成長していないのね…』と呆れ気味の茜の感情が伝わってくる。
その時、「僕は成長していないかな?」と晃が呟いたので、あまりのタイミングの良さに陽歌は思わず噴き出してしまった。



