胸の奥で桜の花が舞い、茜が微笑むのを感じた。
『…まったく、だから来ちゃダメだって言ってたのに…。あのまま私が消えたら、あなたまで一緒に消えちゃうところだったのよ。陽歌ちゃんの中に戻るしかなかったわ』
あの時、光の中で消えたと思った茜は、陽歌の中で再び同化していたのだ。
陽歌は「やった!」と小躍りして喜んだ。
「じゃあ…これからはずっと一緒なのね?」
『ええ。最後に会った日は傍にいてあげられなかったけど、今度はずっと傍にいてあげるわ。泣き虫の陽歌ちゃん』
心に直接響いてきた茜の声に、胸が温かくなっていく。
クスクスと笑うイメージが広がり、桜の花が舞い上がるのを感じた。
「約束よ。…私はあなた、あなたは私。私達は二人で一人の人間なんだから…ずっと傍にいてね。次の世も、その次の世も、ずっと一緒よ。何度生まれ変わっても一緒に晃さんを愛していくの。約束よ」
胸の中に茜が微笑むイメージが広がる。
陽歌は込み上げてくる喜びを抑えきれなくなって晃の頬に唇を寄せた。
それが陽歌の感情か茜の感情なのかは、もうどちらでも良かった。
唇に触れる温度が、何度も唇を寄せた記憶を蘇らせる。
茜の感覚の全てが、今は自分のものであると素直に受け入れることが出来た。



