「ねえ,マスター。ここにきてよかったわ。ありがとう。」
カウンターを挟んで向かい合って,ビールを合わせながら,
この店が続いていたことに感謝した。
「なあ,倫ちゃん。ここで演奏をしないか?」
マスターの真剣な瞳に,私はためらいながら,
「今は,まだ無理だわ。娘も小さいし,それに・・・」
「それに・・・ってなんだい。」
「島に住んでるの。それに,旦那が承知するかどうか・・・」
マスターはグラスを磨きながら,
「倫ちゃんに,たっての願いがあってな・・・」
と言うと,私の眼を射るように見ながら続けた。
「この店を閉めようと思ってたんだ。もう歳だし。
誰か跡を続けてくれるような奴もおらんしな。
そう思ってたら,今夜,倫ちゃんがやってきた。
最初は大泣きで何があったかと心配したんだが・・・
これは偶然にも倫ちゃんに跡を託してみたらという
天からの声のような気がしてな・・・急にごめんな。」
「ねえ。マスター。渉を覚えてる?
渉は,いくつかライブハウスをしてたり,食事関係も
手を広げたりしてるから,私から聞いておこうか?
私,ここなくなるの。辛いな。
マスターに会えなくなるの。辛いから・・・」
カウンターを挟んで向かい合って,ビールを合わせながら,
この店が続いていたことに感謝した。
「なあ,倫ちゃん。ここで演奏をしないか?」
マスターの真剣な瞳に,私はためらいながら,
「今は,まだ無理だわ。娘も小さいし,それに・・・」
「それに・・・ってなんだい。」
「島に住んでるの。それに,旦那が承知するかどうか・・・」
マスターはグラスを磨きながら,
「倫ちゃんに,たっての願いがあってな・・・」
と言うと,私の眼を射るように見ながら続けた。
「この店を閉めようと思ってたんだ。もう歳だし。
誰か跡を続けてくれるような奴もおらんしな。
そう思ってたら,今夜,倫ちゃんがやってきた。
最初は大泣きで何があったかと心配したんだが・・・
これは偶然にも倫ちゃんに跡を託してみたらという
天からの声のような気がしてな・・・急にごめんな。」
「ねえ。マスター。渉を覚えてる?
渉は,いくつかライブハウスをしてたり,食事関係も
手を広げたりしてるから,私から聞いておこうか?
私,ここなくなるの。辛いな。
マスターに会えなくなるの。辛いから・・・」