校門に張り出された1枚の紙の前に、たくさんの生徒が群がっていた。


「なんだ?あれ」

「さあ?」


人だかりに近付いた時、やっとその紙の正体が分かった。


あちこちから聞こえてくる叫び声に近い話し声。


「私2組だった~」

「キャー!一緒じゃん!」


その紙を見て、喜んだり、落ち込んだりしている生徒。


「あー……なんだ、クラス替えか」


寿也が面倒くさそうに呟いた。


あの紙はどうやらクラス替えによって決められた新しいクラスを発表するためのものらしい。


「クラス替え、ねぇ……」


すっかり忘れてたな。


ていうか毎回思うんだけど、クラスって替える意味あんのか?


横でつまらなさそうに眉をしかめている寿也を見る限り、こいつも同じこと考えてるんだろうな。


「トシちゃん」


俺は寿也にピタリと体を寄せた。


「ボク、トシちゃんと同じクラスになりたいにゃん」

「離れろ」