え……? 耳を疑う。 言われたことが全く理解出来なかった。 水上は白く綺麗な指で、その大きな瞳を示したまま口を開く。 「見えないの、なんにも」 そして開き直ったように薄く笑う。 「お婆さんはもちろん……宮本くんのことも」 俺はただただ愕然とするしかなかった。 水上、何言ってんの? 外国語? さっぱり理解出来ない。 「明るいか暗いか判別出来るくらいかな。 ぼんやり色を判別するのがやっと」 水上が笑った。 明るく……でも、涙を流しながら……。