やっと打ち解けてきたと思ったのに……。


そう思ったのは俺だけだったのか?


俺が1人で盛り上がってただけ?


やっぱり水上は俺といてもつまんなかったのか?


やっぱり……アイツがいいのか……?


「悪かったな」

「え?」


俺は水上と目を合わせないで、前を向いたまま口を開いた。


「やっぱり彼氏がいいんだろ?」


わざと皮肉っぽい口調で言った。


「彼氏……って?」

「なに?
とぼけんの?」


前を向いてるから水上の表情は分からない。


「水上に彼氏いることなんて有名じゃん。
毎日毎日わざわざ学校まで迎えにきてもらっちゃってさ」

「宮本くん……?」

「でも水上も案外軽いんだな。
彼氏いたって俺みたいなのにヘラヘラ付いてきて……」

「宮本くんどうしたの!?
さっきから一体何言っ……」