窓のない窓際

 
店員が去った後も水上はずっとおでこを押さえていた。


そんな強くデコピンしてないんだけど……。


おでこを押さえたまま、無表情でジーッと俺を見つめている。


もしかして怒ってる!?


「あの……水上……ごめん。
そんなに痛かった?」


恐る恐る俺が尋ねると、水上はハッと我に返った。


「……え!?」


すると水上は慌てて自分のおでこから両手を離した。


「う……ううん!
なんでもない……!」


あれ……?


水上……心なしか顔赤い気が……。