「もう、ここでいいよ。
もう階段上がるだけだし。」

神社の階段の下まで着いたのだけれど、隼人は玄関の前まで送ると言って聞かない。
何で?いつもとのあまりの扱いの違いに、私は戸惑いを隠せない。


「よくない。
玄関まで送る。」

そういって、隼人は私の手を引き階段を登りだした。
触れ合っている腕が燃えるように熱い。

そこから、隼人が私の中に広がっていくよう。
きっと私の顔は今真っ赤だ。



最初から素直に送ってもらえばいいのに私って本当にかわいくない。

もしかして、倒れた私を隼人は心配してくれているのだろうか。

いやいや、期待するのは自分が傷つくだけだって、さっき分かったじゃない。
本当に私って学習しない。

それに、最初から素直に送ってもらえばいいのに私って本当にかわいくない。

こんなんじゃ、誰も私のことを好きになってくれないはずだ。