彼は嘘をつくときだけ、体温が「氷」のように冷たくなる。 「仕事が長引きそう」「お腹すいてない」 彼がそう言うたび、繋いだ手が冷えていくのが悲しかった。 ある日、大喧嘩をして私が「もう別れよう!」と部屋を飛び出そうとした時。 後ろから彼に、痛いくらい強く抱きしめられた。 「頼むから行かないで。 ……俺、もう君のことなんか、ちっとも好きじゃない」 背中に触れた彼の身体は、凍りつきそうなくらい冷たかった。