失恋の痛みを消してくれるという、街外れの不思議な雑貨屋。 大好きな彼に振られた私は、すがる思いで「彼との思い出」を消す魔法の薬を飲み干した。 翌朝、すっきりした気分で学校へ行くと、廊下で彼とすれ違う。 胸はまったく痛まない。 だけど、なぜか涙がボロボロと溢れて止まらなかった。 通り過ぎる瞬間、彼が小さく呟くのが聞こえた。 「……本当に、俺のこと全部忘れちゃったんだな。でも、これでいいんだ。 君が泣かなくて済むなら」 彼は、私を傷つけないために、自分の存在ごと記憶を消す選択をしていた。