四限目は国語だった。
僕の得意分野、なのだけれど…。
「ここの漢文、現代語訳してください」
その瞬間、僕の頭の中ではとっくに現代語訳できている。
でも、僕は発表しない系。
なんていうか、みんなを俯瞰してる立場。
「⋯」
これが終わったら、お昼ご飯だ、さっさと焼きそばパンでも買ってこよう⋯。
チャイムが鳴った。
ハッとして僕は立ち上がった。
「あ⋯」
ぼーっとしてた、どうしよう。
見ると、クラスの半分の人が購買へ行っている。
「だ、だめえ」
僕も扉を開けて、購買へダッシュしたのだった。
一目散に走って、何人追い抜かしただろう。
「あ、あの⋯焼きそばパンって、残ってますか⋯」
僕は、購買の人に訪ねた。
「ああ、焼きそばパンね、残ってるよ」
「えっ」
残ってた⋯。
僕は温かい焼きそばパンを胸に抱えて教室に戻ったのだった。
すると⋯。
「あれっ、十六夜さん、どうしたの」
如月さんの席にちょこんと座っている十六夜さん。
「あ、紫鶴くん」
見ると、太もものところにバスケットを置いている。
「もしかして、それ⋯」
「これ、また作っちゃった」
「え、そうなんだ」
「うん、紫鶴くんが昨日、美味しいって言ってくれたからさ⋯よかったらちょっとだけ、食べない」
⋯え。
ちょっとまって、キュンが致死量過ぎる。
もしや、「僕のために」⋯。
でも、僕にはこの焼きそばパンが⋯。
それに⋯って、こんなのまた明日食べればいいじゃないか。
賞味期限とか、家庭科意味不明の僕にとってはタダの数字だし。
「食べていいんですか」
「うん」
「じゃあ食べる」
僕はかつサンドを手にとって、食べ始めた。
「んー、美味しい」
「良かった」
十六夜さんは微笑んだ。
おいおいおいおい天使なのか、いやもはや神かなんかかよ。


